日本が世界に誇る国産ウォッチの雄『SEIKO』。
その『SEIKO』の歴史を体現する洗練されたブランド、「KING SEIKO(キングセイコー)」をみなさんはご存じでしょうか?
「KING SEIKO(キングセイコー)」は1961年に誕生し、60年代の国産機械式腕時計の進化を牽引した国産腕時計ブランドです。
1970年代に一度その歴史に幕を閉じますが、2022年に約50年ぶりに復活を果たしました。
令和に復活を遂げた「KING SEIKO(キングセイコー)」は、その名にふさわしい性能と風格のあるデザインで、国産機械式腕時計としての新たな魅力を放つことになりました。
『SEIKO』のハイエンドメカニカルウオッチブランドです。
そんな歴史に名を刻み、現在も大人気を博すブランドの成り立ちや、現行モデルのラインナップをを見ていきましょう!
「KING SEIKO(キングセイコー)」の歴史
1961年、東京・亀戸に拠点を構える「第二精工舎(現セイコーインスツル株式会社)」は、国産高級腕時計を目指すべく「KING SEIKO(キングセイコー)」を世に送り出しました。
高級腕時計としての性能と先進的なデザイン、そして適正な価格の共存を実現。国産機械式腕時計の進化を牽引することになりました。
中でも1965年に誕生した2代目キングセイコー「KSK」は、初代モデルにはなかった機能やスタイリッシュなデザインにより、キングセイコーデザインのオリジナリティを確立しました。
●防水性能や秒針規正装置の機能を搭載
●無駄のないダイヤルレイアウト
●エッジを際立たせたシャープなケーススタイリング
●ボックス型のガラス形状
高度経済成長期の1961年
この当時、戦後の焼け野原から見事な復興を果たした日本は、目覚ましい経済発展を遂げつつありました。
工業が発達し、道路には自動車が増え、都市と都市を結ぶ高速道路も開通。テレビ、冷蔵庫、洗濯機という「三種の神器」と呼ばれる電化製品も生まれ、人々の暮らしは加速度的に豊かになっていった時代です。
人々のライフスタイルが大きく変化する最中、現代の経済の礎となった高度経済成長期でもある1961年に誕生した「キングセイコー」。
高い実用性とデザイン性へのニーズを受け、高精度かつ独創的な腕時計となるべく、最初の一歩を踏み出しました。
第二精工舎「キングセイコー」生誕の地、東京・亀戸
「キングセイコー」を生み出した第二精工舎は、東京・亀戸にて精工舎からウオッチ製造部門として1937年に分離・独立した歴史を持ちます。
しかし、その道のりは決して平坦なものではありませんでした。
太平洋戦争の影響により時計の生産本数は年々減少の一途をたどり、終戦の年にはほぼ生産中止という状況になってしまいます。
また戦後、亀戸工場は戦災により壊滅状態。分散疎開からの工員と設備の再集約を図るも、時計製造への復旧が遅れることとなりました。
しかし、こうした苦難を乗り越え、江戸城下町・亀戸の「粋」を背負い、風格のあるデザインで高級腕時計の姿を実現した「キングセイコー」を完成させました。
「キングセイコー」は、第二精工舎の意地とプライドの結晶と言えます。
1960年代当時の「キングセイコー」
キングセイコーの初代モデルは洗練された雰囲気を持ち、販売店向けに1961年に発行された冊子のビジュアルではモダンな印象を演出しています。
当時の金額で1万2000円~1万5000円という価格設定は、大卒初任給の平均給与とほぼ同じ。まさに高級腕時計としての地位を確立していました。
直線を基調としたダイヤル、見やすく堂々たる針とインデックスなど、高品質を目指しながらもバランスを重視した作りは、時を超えても通じる「キングセイコー」の魅力となっています。
「キングセイコー」と「グランドセイコー」
前述した戦時中の1942(昭和17)年、第二精工舎の疎開先である長野県諏訪で、協力会社として大和工業が誕生。それが1959年に社名を変更し「諏訪精工舎」となりました。
「諏訪精工舎」ではスイスの高級腕時計を超えるべくエンジニアリングの頂点を目指し、圧倒的な精度を誇る「グランドセイコー」を世に送り出します。
こうして「キングセイコー」と「グランドセイコー」は、互いに高級腕時計としての道を模索し切磋琢磨する関係を築いていきます。
●究極の精度を求める「グランドセイコー」
●東京生まれのブランドらしいモダンで風格のあるデザインを追い求めた「キングセイコー」
ふたつの兄弟のようなブランドは、それぞれ違う道を歩んでいきます。
「キングセイコー」の終焉
その他にも一体構造のワンピースケースによって高い気密性を誇るモデルや、先進的なデザインのモデルを数多く発売してきた「キングセイコー」。
しかし、1969年に誕生したクオーツウオッチの台頭などもあり、1970年代にその役目を終え、生産終了の時を迎えます。「キングセイコー」は一度その幕を閉じることになります。
そして復活の時を待つこと約50年後――
待望の「KING SEIKO(キングセイコー)」復活
2022年、セイコーがそれまで培ってきた技術とプライドを手に、「キングセイコー」は復活を果たしました。
その姿は、当時と変わらない洗練されたデザインを体現。時代やトレンドがどれだけ変化しようとも、「実直なまでに正確な時を刻む」という腕時計の本質を追い求めています。
現行モデル
「KSK」シリーズ
ブランド復活にあたり、開発の土台として採用した“KSK”と呼ばれる「2代目キングセイコー」。
1961年に発売された初代モデルには無かった防水性能や、秒針を止めて時刻合わせができる秒針規正装置を備え、実用的な進化が高く評価されました。
無駄のないダイヤルレイアウト、エッジを際立たせたシャープなケーススタイリングやボックス型のガラス形状など、キングセイコーデザインのオリジナリティを確立したモデルです。
ケース
大胆な多面カットが施されたケースは鏡面仕上げとヘアライン仕上げを組み合わせることで、シャープな質感を表現しました。
文字盤・針
鋭い輝きを放つ多面カットを施した立体的なインデックス、堂々とした太く長い針により、優れた視認性を確保しています。
12時位置に植字されたインデックスは、「KSK」から受け継いだユニークな形状。
天面に施されたライターカットのきらめきが「KSK」特有の個性を際立たせています。
エンブレム
「盾」をモチーフとしたブランドマークは「キングセイコー」の象徴。
1960年当時のアイコニックなシルエットを継承しながら、よりフラットに、よりモダンに刷新され、リューズと裏ブタに刻まれています。
ブレスレット
1960年代の「キングセイコー」をオマージュしたフラットな多列ブレスレットを新たに開発。
ケース同様、鏡面とヘアラインに仕上げ分けした多面構成の形状は、快適な装着感と共にダイナミックな光の躍動を生み出します。
「KS1969」シリーズ
「KS1969」 は、1969年に誕生したアイコニックなモデル「45KCM」をデザインソースとした優美なドレスウオッチのシリーズです。
直線を基調としてきたこれまでのデザインと異なる、丸みを帯びた優美な造形の当時のアイコニックなモデル。
その後のキングセイコーのデザインに影響を与えました。
ケース
薄さが際立つ特徴的な曲面を鏡面に仕上げたケースは、丸みを帯びたボックス型サファイアガラスと相まって、優美な輝きを放ちます。
セイコーの現行機種で最も薄い自動巻ムーブメント「キャリバー6L35」を搭載し、ケース厚9.9mmの薄型化を実現しています。
文字盤・針
12時のインデックスには、「的」に向かって真っすぐに飛んでいく矢の「矢羽根」のような多面カットを施されています。
また、3面カットの時分針を採用することで、視認性と高級感を高めています。
ブレスレット
新たに開発した多列のブレスレットは、鏡面とヘアライン仕上げの組合せにより、光を反射し、上質なきらめきを放ちます。しなやかに動く短いピッチのこまの構成により、心地よい装着感を実現しました。
取扱いが限られる、ショップ限定展開
「キングセイコー」は「セイコーウォッチサロン」などの認定を受けた、限られた店舗でのみ販売が許された特別なブランドです。
高品質で高精度な「キングセイコー」は、『SEIKO』の歴史を語るうえで欠かすことのできない、伝統と技術力が融合した機械式腕時計です。
ーーーいつの時代にも通じる、清廉かつ堂々とした風格。
受け継がれてきた伝統と、革新性を融合させた技術の結晶。
自らが信じた道を切り拓くため、腕時計の“本質”を追求する「KING SEIKO(キングセイコー)」ーーー
「キングセイコー」取扱い店舗
「セイコーウォッチサロン」認定ショップ「ブルージュ一真堂」
長野東ICから車で約10分、長野駅前から車で約10分。
ブランド時計正規取扱店「ブルージュ一真堂」駐車場25台完備。
〒381-0034
長野県長野市高田1737-1
営業時間 11:00∼19:00
お問い合わせ:026-263-5550
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