フランク・ミュラー カサブランカの魅力を語り尽くす

さまざまなユニークピースを有することで知られるフランク・ミュラーコレクションの中で、創業者にして天才時計師のフランク・ミュラー氏が最高傑作と称するのが「カサブランカ・コレクション」です。

この記事では、フランク・ミュラーのフラッグシップモデルと言える「カサブランカ」の魅力を語り尽くします。

・他のコレクションには無い、カサブランカの特徴

・多彩なラインナップ

・カサブランカ 人気モデルTOP5と価格

などをご紹介します。

フランク・ミュラーの腕時計にはファンタジーがあります。他のウォッチブランドには無い、独自の魅力を数多く持つカサブランカの世界観をご堪能ください。

フランク・ミュラー「カサブランカ」とは

カサブランカ コレクションはフランク・ミュラー初のステンレススティール・モデルとして1994年に発表されました。コレクション名の「カサブランカ」は1940年代のモロッコを舞台にした同名の映画に由来します。デザインコンセプトも、ヨーロッパの人々が憧れを抱いた1940年代のモロッコ、カサブランカからインスピレーションを得て、

①砂漠の砂塵からメカニズムを守るために、ブランド初のステンレススティールを採用

②うだるような暑さにも負けないカーフストラップを装備

③街灯すらない真っ暗な夜道でも視認できるよう文字盤に夜光塗料を使用

など、これまでのフランク・ミュラー ウォッチには無かった様々な工夫が施されました。

多品種&少量生産で知られるフランク・ミュラー。その多岐にわたるコレクションの中でも、カサブランカ・コレクションは「フランク・ミュラー ウォッチを持つなら、1本は絶対に持つべきモデル」「フランク・ミュラーの入門に最適なコレクション」として世界中のファンを魅了し続けています。

フランク・ミュラー「カサブランカ」の魅力を辿る

フランク・ミュラー独自のケース形状「トノウ型」

フランクミュラーの腕時計、トノウ・カーベックス

フランク・ミュラーの腕時計と聞いて最初にイメージするのが、独自のケース形状です。この樽型の「トノウ・カーベックス・ケース」こそ、フランク・ミュラーというブランドが有名になったきっかけと言えます。

トノウ・カーベックス誕生秘話

きっかけは一人のご婦人がフランクに語った一言でした。フランク・ミュラーが作る複雑時計をすべて購入してくれるほど「フランク・ミュラー・ウォッチ」を愛するイタリアの男性顧客と食事していた時、フランクは男性の奥様からこう言われました。

「フランク、あなたの技術はとても素晴らしいわ。それについては何の文句もないの。でも、もっと違うデザインの腕時計を作ったら?古めかしい丸形じゃなくて、自分のデザインで…。」

「中の機械がどんなタイプのものであろうと、それは問わない。あなたのオリジナルデザインの時計なら私は喜んで買うわ。」

この言葉が、時計師であり表現者でもあるフランクの創作意欲を刺激しました。と同時に、それまでラウンド型ケースに複雑機構を搭載することを主としていたフランクは「痛いところを突かれた」という思いがあったのです。フランクはこの期待に何とか応えようと奮起しました。

三次元曲線のケース

フランクミュラーの腕時計カサブランカ

実はトノウ型のケースは伝統的な時計ケース形状として昔から存在し、1920年代の流行でもありました。フランク・ミュラーはこれを三次元曲線の立体的なフォルムとして昇華させたのです。
ケースのどの面を見ても直線が存在せず、必ず湾曲しているトノウ・カーベックスは、時計が球体の一部を成すイメージとなり、フランク・ミュラーのアイコンと言える形状になりました。
もともとはユニークピースとして1本しか作る予定はなかったのですが、1986年イタリアのビチェンツァの見本市に出品されたトノウ・カーベックスは大きな注目を集めることになります。このビチェンツァの見本市が火付け役となり、多くの顧客から「あの形の時計が欲しい」と電話がかかってきたのです。

時計師が見た、トノウ・カーベックスの衝撃

フランクミュラーの腕時計、ムーブメント

スイスのフランク・ミュラー現地工房や日本で多くの製品に接し、複雑時計の修理・点検なども行う時計技師は、トノウ・カーベックスの腕時計と接した時をこう振り返ります。

「カルチャーショックを受けました。特殊なケースに、よくこれほどムーブメントを精密に組み込むものだと。」

円形のケースに平坦な文字盤を組み合わせたごく一般的な腕時計とは異なり、トノウ・カーベックスは三次元曲線に包まれた独特のケース形状です。ケースの形状だけでなく、文字盤やガラスまでもが湾曲しています。そのため、内部のムーブメントや表示針なども、すべてが寸分違わず厳密にセッティングされないと時計としてうまく機能しないのです。

この点だけを取り上げても、カサブランカはまさに異例の時計だと言えます。

自分だけのアンティークウォッチを作るエイジング文字盤

フランクミュラーの腕時計、カサブランカの文字盤

カサブランカの文字盤は、ほかのモデルのようなギョウシェ模様の装飾を用いず、サハラ砂漠を思わせるマットな文字盤仕上げとなっています。この文字盤最大の特徴は、エイジングを前提としていることです。

通常、腕時計の文字盤には紫外線から守るためにUV処理を施しますが、カサブランカはこのUV処理をあえて施していません。つまり「日焼け」する文字盤なのです。使用しておよそ数年後から文字盤には「ヤケ」が現れはじめ、年月を経るごとにその味わいが深まります。使い込むほどに「自分だけのヴィンテージ・ウォッチ」のような風合いに変化していくのです。他の時計ではありえないことですが、この「劣化」を「味」に変えてしまうところが、アンティーク時計を起源とするフランク・ミュラーの魔術と言えます。

フランクミュラーの腕時計、カサブランカルナ

レギュラーの文字盤カラーは「サーモンピンク」「ブラック」「ホワイト」の3色が用意され、

サーモンピンク=砂漠の砂

ブラック=サハラ砂漠の夜の闇

ホワイト=モロッコの白い住宅

をイメージしています。

 

文字盤のエイジングについては

サーモンピンク ⇒ 赤茶系

ブラック ⇒ グレー系

ホワイト ⇒ クリーム系

に変化しますが、個体差が生じます。

「同じ時計は存在しない。自分だけのオリジナル文字盤」で世界に一本だけのヴィンテージ感をお楽しみください。

ビザン数字とまばゆい夜光インデックス

フランクミュラーの腕時計、カサブランカのビザン数字

トノウ・カーベックスのケース形状と並び、フランク・ミュラー腕時計の代名詞となっているのが「ビザン数字」と呼ばれる独自の数字(インデックス)です。

このビザン数字は、時計の視認性を考慮して生まれました。人は年齢を重ねると、次第に時計の表示が見えにくくなります。

「若い時は良いけれど、だんだんと老眼になって見えにくくなってくる…。」

ならば数字を大きくしてみようという発想でしたが、そのためには数字のデザインを考え直す必要がありました。

ビザン数字は1900年代初頭のアラビア数字を原点に、フランク・ミュラー オリジナルのスタイリッシュさが取り入れられましたが、実は数字のデザインというのは大変難しく、数字そのもののバランスを取りつつ一定の大きさである腕時計の文字盤にレイアウトするのは大変骨が折れる作業なのです。

さらに、これだけ数字を大きくすると、針が時刻を指し示す際にぴったり合うようにするには微妙に数字の位置をずらす必要があります。

これを解決するために、ビザン数字にはギリシャ神殿のコラム(円柱)に用いられている技術(見た目に同一の太さの円柱と感じさせるため、上に行くほど太くするという視覚効果トリック)が駆使されています。

フランクミュラーの腕時計、カサブランカの夜光インデックス

このようなフランク・ミュラー独自のインデックスに加え、アフリカのリゾート地を想定して開発されたカサブランカには、街灯の少ない砂漠の地でも時間を把握できるよう、ブランド初の夜光ダイヤルが採用されました。夜光塗料で描かれたビザン数字と針により、暗闇でも時間を正確に視認できることは、カサブランカ・コレクションの実用性を証明しています。

フランク・ミュラー 唯一のステンレスシリーズ

フランクミュラーの腕時計、カサブランカのステンレススティールブレスレット

ブランド初となるステンレススティール・モデルのカサブランカ。

カーフストラップだけでなく、ステンレススティール製のメタルブレスレットで使用することも可能です。

このブレスレットはストレートと傾斜したコマが交互に並ぶ5連タイプで、エッジの利いたデザインが特徴的です。バックル部分にはフランク・ミュラーのブランドロゴが装飾されてあり、ケース本体のサイズに合わせてブレスレットの幅も多数用意されています。
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多彩なケースサイズ

トノウ・カーベックスには様々なバリエーションのケースサイズが用意されています。ここでは、カサブランカ・コレクションの主なケースサイズをご紹介します。

ケースナンバーの数字が大きくなるほど、ケースサイズも大きくなると思っていただけると分かりやすいです。

※一部例外もあります

[5850サイズ]

フランクミュラーカサブランカ

メンズサイズの中でフランク・ミュラー初心者におすすめのサイズ。適度な存在感と絶妙なバランスを兼ね備えています。ワンサイズ大きな6850と比較すると若干厚手に設計されているのが特徴です。

 

[6850サイズ]

フランクミュラーカサブランカ

基本の5850から2㎜長く設計されたサイズ。この6850サイズからケースのカーブが強くなり、3次元曲線が強調されます。5850と比較すると若干薄型となるので、サイズアップしてもフィット感は抜群です。

 

[8880サイズ]

フランクミュラーカサブランカ

ケースの大きさ、厚みがさらに強調されたボリュームゾーン。近年の大型化傾向に乗る存在感を持ちます。ケースのアールもさらに増しているのが特徴です。

 

[1750サイズ]

フランクミュラーカサブランカ

レディースモデルの基本サイズ。横25㎜の小ぶりなケースサイズですが、リューズの先端にカボションがセットされエレガントさが際立ちます。クォーツムーブメントを搭載することが多いサイズです。

 

トノウ・カーベックスを創り出す際にフランク・ミュラーがテーマとしたのは「人間工学的に優れていて、装着感が良いこと」でした。
腕に身に着けた際、まるで手首に吸い付くようなフィット感を生み出すために、ケースの大きさによってアールやディティールが微妙に異なる設計となっています。
なお、時計の裏蓋にはサイズを示す4桁の数字が刻印されていますが、この数字もビザン数字で彫られており、フランク・ミュラーのこだわりがうかがえます。

フランク・ミュラー「カサブランカ」のバリエーション

一言で「カサブランカ」と言っても機能、コンセプトを軸にいくつかのバリエーションに分けられます。ここでは様々なタイプの「カサブランカ」をご紹介します。

①王道のベーシックモデル

フランクミュラーの腕時計、カサブランカ

カサブランカのレギュラーモデル。メンズサイズ、レディースサイズ共にバリエーション豊富で、文字盤のカラーは「ブラック」「ホワイト」「サーモンピンク」の3色から選ぶことが可能です。文字盤のエイジングを早く楽しみたい方は「ホワイト」を選択するのがおすすめです。

②灼熱の砂漠をイメージした「サハラ」

フランクミュラーの腕時計、カサブランカサハラ

灼熱のサハラ砂漠をイメージした、個性あふれるデザイン。針やインデックスのビザン数字があらかじめ焼けたような色合いに仕上げられているのが特徴です。

③ムーンフェイズを搭載した「ルナ」

フランクミュラーの腕時計、カサブランカルナ

カサブランカの6時位置に月齢カレンダー(月の満ち欠けを表示)であるムーンフェイズを搭載したモデル。砂漠の夜空に浮かぶ月を、文字盤内で表現しています。リアルな描写の月ではなく、微笑みを浮かべる古典的な月の表現が、見る人の心を和ませてくれます。

④迷彩風の「カモフラージュ」

フランクミュラーの腕時計、カサブランカカモフラージュ

文字盤にまるで迷彩風のビザン数字が踊る、パワフルかつミステリアスなモデル。奥行きのあるビザン数字の迷彩柄が文字盤に立体感を創り出しています。グレー、ブルー、ベージュなどのカラーが存在しますが、かなりの希少モデルであるため出会えることは稀です。

⑤大型ケースの「クロノグラフ」

フランクミュラーの腕時計、カサブランカクロノグラフ

3針モデルが多いカサブランカの中でストップウォッチ機能を搭載したクロノグラフモデル。ケースは大型の8880サイズを採用しているため、3針モデルとは異なり圧倒的な存在感を放ちます。クラシカルな2カウンタークロノグラフを採用しており、「ノアール×クロノグラフ」「カモフラージュ×クロノグラフ」などの個性的なモデルも存在します。

フランク・ミュラー「カサブランカ」 人気モデルTOP5

ここまでカサブランカ・コレクションの魅力、特徴、バリエーションを紹介してきましたが、数あるモデルの中で人気TOP5をご紹介します。

「バリエーションが多くて、どのモデルを選べばよいのかわからない…」

という方も、ご自分に合うモデル選びの参考にしてください。

※2024年5月時点の価格となります

人気モデル5位「カサブランカ カモフラージュ ブルー」

フランクミュラーの腕時計、カサブランカカモフラージュブルー

爽やかなブルーカラーでありながら、迷彩モデル独自の個性を持つカモフラージュ。

品番:8880DTBRCAMOUFLAGE OAC

価格:¥2,156,000(税込)

スペック:自動巻き、ステンレススティール、日常生活防水

[愛用者の声]

  • フランク・ミュラーのみならず他のブランドにも存在しない、圧倒的な個性が魅力。
  • ケースサイズが大きく、着用時のインパクトがある。
  • 何度見ても文字盤の立体感に吸い込まれる。

人気モデル4位「カサブランカ ルナ ホワイト」

フランクミュラーの腕時計、カサブランカルナ

ムーンフェイズを搭載した特殊機構モデルはフランク・ミュラー全コレクションの中でも珍しい1本です。

品番:5850 CASA LUNA

価格:¥1,760,000(税込)

スペック:自動巻き、ステンレススティール、日常生活防水、ムーンフェイズ

[愛用者の声]

  • 高級時計なのに笑顔の月が遊び心を感じる。
  • さりげなく特殊機構が搭載されているところが魅力的。
  • ムーンフェイズの月の微笑みに癒される。

人気モデル3位「サハラ ブラック」

フランクミュラーの腕時計、カサブランカサハラ

サハラは希少性の高さと強い個性で、人気を誇ります。

品番:6850 CASA SAHARA

価格:¥1,595,000(税込)

スペック:自動巻き、ステンレススティール、日常生活防水

[愛用者の声]

  • ブラックの文字盤に、焼けたような色味の針とインデックスが個性的。
  • 全体的にダークカラーなので、大きなケースサイズでも引き締まって見える。
  • 王道なモデルだが、定番モデルとワンポイント異なるところが好き。

人気モデル2位「カサブランカ ブラック」

フランクミュラーカサブランカ

ステンレススティールブレスレットを採用した黒文字盤の3針モデルは、ビジネスシーンでも使いやすいことから人気です。

品番:6850 CASA OAC

価格:¥1,914,000(税込)

スペック:自動巻き、スティール、日常生活防水

[愛用者の声]

  • 存在感のあるケースサイズだが、薄型でアールがしっかりしているので装着感が抜群。
  • やはり黒文字盤がシックに決まる。
  • ブレスレットモデルなので、汗も気にせず愛用できる。

人気モデル1位「カサブランカ ホワイト」

フランクミュラーの腕時計、カサブランカ

数あるカサブランカシリーズの中で最も高い人気を誇るのが、定番の5850CASA ホワイト文字盤です。

品番:5850 CASA

価格:¥1,485,000(税込)

スペック:自動巻き、ステンレススティール、日常生活防水

[愛用者の声]

  • ケースサイズ、厚みが絶妙で、何歳になっても愛用できる。
  • ホワイトの文字盤は清潔感があるだけでなく、エイジングが分かりやすいので「自分色に染まってきた」ことを実感できる。
  • 男性だけでなく、女性も着用しやすいケースサイズなので夫婦で愛用している。

まとめ

フランク・ミュラーのカサブランカには、他のモデルとは異なる独自のスタイリッシュ&ヴィンテージ感があります。細部にわたる緻密な造形だけでなく、そのファッション性の高さと豊富なバリエーションも魅力と言えるでしょう。

 

ブルージュ一真堂は国内最大級のフランク・ミュラー サロンとして、カサブランカをはじめフランク・ミュラーの各コレクションを豊富なラインナップを取り揃えております。

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