真珠(パール)はデリケートなジュエリーと言われています。毎日使うことは少ないと思いますが、それゆえに使った後どうお手入れすればいいのか、わからない方が多いのではないでしょうか?
ここでは、 「真珠のお手入れはどうしたら良いのか」、「真珠の美しさを保つにはどうしたら良いのか」 についてお伝えします。
目次
美しさを保つために知っておきたい真珠の弱点と注意事項
真珠の弱点とは?
真珠の成分は炭酸カルシウムです。熱、酸、水に弱いのが特徴。 また、落として割れてしまうことはほとんどありませんが、キズがつきやすいのも特徴と言えます。
真珠を使う際は水分や落下に注意したいですね。
真珠を使う時の注意点は?
汗をかきやすいシーンや、水や薬品に触れるシーンでは真珠の劣化に繋がるため、好ましくありません。「スポーツ」「水仕事をはじめとする家事」「ヘアメイク」など 暑い時期の結婚式や葬儀で使用すると、真珠が汗ばんだ肌に直接触れたりするので、外した後のお手入れがとても大切です。※外した後のお手入れについては後記してあります。
お出かけの際の真珠の着け外し、タイミングは?
お出かけの際は、お化粧やヘアメイクが終了してから装着し、家に帰られたら先ず外しましょう。特にリングは指に着けるため、より水に触れやすいことが考えられます。また、「水に濡らさないように」と、外した際に排水溝へ落としてしまったり、床に落下したりしないように気をつけたいですね。
真珠を使った後のお手入れ
真珠はケースに入れておいても、長期間使わなかったりすることで湿気を含んだり乾燥にさらされたりして劣化することもあります。 そのため、使った後ケースへ保管する前にお手入れをするかしないかによって、真珠をキレイに保てるかそうでないかが決まってしまいます。
真珠を使った後は、
① 柔らかい布(あれば真珠専用クロス、無ければガーゼ等)で優しく拭く
⭐︎真珠のネックレスを拭く際は、「左端→中心→右端」のように片側方向へ向けて拭くのは、ネックレスに力がかかり糸の劣化を早めてしまうのでNG。中心から拭きはじめ、端に向かって「ゆっくり」「力を入れず」に「丁寧」に拭きあげます。
特に留め具部分は肌に触れていることが多いので、念入りに拭いてあげて下さい。
② 真珠専用のケースへ入れ保管
※ 汚れ方がひどく、「拭いてもキレイにならない」ような時は、柔らかい布を「ぬるま湯で濡らし固く絞った」状態で優しく1珠1珠拭き、その後①のように拭きます。
心配な場合は、お近くのジュエリーショップへ相談しましょう。 以上のようにお手入れしていただくと、真珠がいつまでもキレイに保てます。
なお、真珠にはグレードがあり「テリ」「色」「形」「キズ」「大きさ」により価格も異なります。 また、調色してあるものなのか無調色のものなのか、元々有機物である真珠が持ち合わせている個性によってもキレイさを保てる年数は違ってきます。キレイに保つにはある程度グレードの高いものを選ぶことが好ましいかもしれません。
真珠のメンテナンス
糸替え
真珠の保管で見落としやすいのは、ネックレスの糸の劣化です。 絹糸で繋がれていますが、使用頻度には関係なく湿気やほこりなどで糸が劣化している事があり、うっかり糸替えをせずに何年もいると、着けようとケースから出して胸元へかざした時に切れてしまい繋がった真珠がバラバラと落ちてしまう、なんてことはよくあることなのです。
見落とさないための確認方法は、ネックレスの留め具を持ち縦に下げてみた時に少しでも珠と留め具の間に隙間ができたら危険信号です。早めに近くのジュエリーショップで糸替えをしてもらいましょう。
糸替えの時期は、3年に1度が理想的です。隙間ができてからあわててやるよりも安心ですね。 糸替えは店舗でできないことが多く、メーカーへ依頼したりするため時間がかかって着けたいタイミングに間に合わないことがあります。
保管場所、保管方法
真珠は極度の乾燥や湿気を嫌います。 使用後はお手入れし、光が当たらないように保管しましょう。直射日光はもちろん、照明も当たらない場所がおすすめです。 また、傷つきやすいので他のジュエリーと同じケースへ入れたり、タンスや引き出しなどへそのままガラガラと入れることはやめましょう。脱脂綿は柔らかいので緩衝材として使いがちですが、白くする際漂白剤を使用しているため、真珠には好ましくありません。 ピアスやリングをセットでお持ちの場合、それぞれが当たって傷にならないよう同じケースへ入れる時は固定し、固定できない時は別々に保管しましょう。
点検
毎日使うわけではない真珠だからこそ、半年〜1年に1回くらいの確認が必要です。 特に季節の変わり目は気温の変化が出てきたり、湿度の変化も。 冠婚葬祭の使用については、結婚式の場合は予定を立てて行われるので、早めに真珠を点検し糸替えの必要がないかどうか確認しておくと安心ですね。葬儀の場合は、突然のことの方が多いからこそ、半年~1年に1回は点検をしておきましょう。
まとめ
真珠のお手入れや保管はむずかしいものではありません。たとえば、毎日着る洋服と、着物や礼服などのように特別な時に着る物との扱いがちがう事と一緒です。毎日着る洋服は洗濯してキレイさを保ちますし、着物は虫干しをしたり着る前にチェックしたりしますし、着た後はクリーニングし畳紙(たとうし)に入れて大切に保管しますよね? お手入れや保管方法を知っているかそうでないかで真珠をキレイに保てるかどうか、かなりの違いが出ます。 特別なシーンで使うからこそ、お手入れはきちんとしていつ出番が来てもいいように準備しておきたいですね。
一真堂飯田本店
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